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08/02/16 Information

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1968年・国立近代美術館『Dada/ダダ展』図録はハンス・リヒターが監修。

■来週月曜日は「中央市会大市」。古書会館の4フロアを駆けずり回りながらの入札となりそうです。この日に落札できたものは―そんなものがあれば、ですが―翌日の火曜日に自分で確認した上で配送手配をしなければなりません。このため、来週火曜日は開店時間が遅くなる可能性があります。2/19(火)にご来店の場合はお出掛けになる前に一度お電話で在席をご確認ください。木・土曜は通常通り12時~20時で営業いたします。ご不便をおかけいたしますが、何卒よろしくお願いいたします。 その中央市会の開催準備で今週金曜日の市場はお休み、とはいっても主に南部支部入札会での落札品を中心に、今週も新着品、あります!  早速ですが上の画像、1968年・国立近代美術館で開催された『Dada/ダダ展』の図録。サブタイトルには「世界のダダ運動の記録」とあります。展覧会の構成・解説は自らダダに深く関与したハンス・リヒター。この図録もまた、リヒターが監修し、ミュンヘン・ゲーテ・インスティトゥートが作成したカタログに基づき、東京ドイツ文化研究所が作成した、とあります。しかも、製版はケルンの「ヴェスト兄弟社」というこだわりよう。確かにそれだけのことはあって、表紙・裏表紙の裏側はハンナ・ヘーヒの作品が見開きサイズで置かれ(上の画像・右側の見開き。左の正方形が表紙)、チューリヒ・ダダからネオ・ダダまでを追った「ドキュメント」では、関係アーティストの肖像画から機関紙の表紙、視角詩などまで図版を巧みに多用。図録というよりもこの一冊がすでに“作品”となっています(中面の図版がご紹介できず…残念)。図版は全てカラー、資料性も高い最近の展覧会の図録と比べると、こちらは図版全てモノクロ、厚さも1cm足らずと実にささやかなものです。しかしそれでもなお、当事者によって残されたひとつの痕跡として、評価したいものです。

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昭和42(1967)年版『KOBUNDO TYPE BOOK』=晃文堂の欧文活字見本集。見開きは「晃文堂 クラレドン」と名付けられた書体。

■1968年当時、製版をドイツに出していたということは、日本語で版組みした後にわざわざドイツに戻したのだろうか…と疑問も頭を擡げてくるのですがそれはさておき。さて今度は日本に目を転じて、おそらくは当時急増していたに違いない欧文活字の需要に応えようと用意されていたのが次の新着品。昭和42(1967)年版『KOBUNDO TYPE BOOK』、つまり晃文堂の欧文活字の見本集です。全266Pのほとんどがさまざまな書体の欧文活字で埋められている他、夥しい書体・種類の数字、約物はもとより、欧文による名刺・各種招待状の組見本までもが収められています。この一冊に使用された書体は欧文・和文とも全て晃文堂製ですが、画像見開きは同社の正真正銘オリジナル書体ということで 「晃文堂 クラレドン」のページからとりました。どれをとっても端整な組版は「赤川啓来氏・嘉瑞工房」の仕事。あちこちにチェック印がつけられ、余白に“すてないで”と書かれた複写が挟まれ、切り取ったところは再度テープで止められ…と、この一冊のなかには、実際に印刷の現場で盛んに使われていた当時のたくさんの痕跡が残されています。古書・古本というもの、保存状態が厳しく問われるべきものではありますが、人がその上に残していった痕跡が、時に資料的な意味をもつ場合があります。いや、そればかりではなく、新刊書と古書・古本との決定的な違いを考えれば、むしろその痕跡こそが、古書・古本ならではの面白さなのかも知れません。とじ糸の緩み、挟まれた紙片など、この一冊にはあえて一切の手を入れることなく、次のどなたかの手に委ねられればと思います。 今週は、「雑書目録」に白っぽい本、美術展図録など、比較的まとまって新着品を追加いたしました。まだ残っている美術展図録や人文関係書の続き、手付かずの翻訳文学など、今月は雑書のデータアップに努めますので、こちらの方もよろしくお願いいたします。また、美容関係の探求書も引き続き探しております。併せてよろしくお願いいたします。

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