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08/01/12 Information

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セルジュ・リファールの絵葉書と独逸日本人会が発行した催し物の案内DM

■今年もやはり営業案内から。来週も店は火・木・土曜日の各日12時~20時で営業いたします。今週、市場が始まり、有難いことに来週にはお客様からご依頼いただいたご蔵書の整理にも着手。これで2008年の仕事が本格的に始まります。相変わらずご不便をおかけいたしますが、ご来店のほど、何卒よろしくお願いいたします。 こちらも恒例の新着品情報。上の画像は1930年前後の独逸日本人会の各種催し案内DM約40通の内の3点と、1930年12月27日の日付のあるセルジュ・リファールの写真が使われている絵葉書。日本人会のDMは全て、横浜高等工業学校の化学の先生がベルリン留学中に受け取ったもの。リファールの一枚は東京帝大の教授宛に、「東京帝大 火薬」に在席していた某氏がシャルロッテンブルクから投函したものです。リファールの写真は、「ゼフィール」か「放蕩息子」か、バレエ・リュス当時のものではないかと“希望的観測”をしてはいるものの、どこか違うようにも見えて、いま現在は確定できておりません(何しろ午前0時をまわって作業を始めたため本日のことろ時間がなく…)。確定できればバレエ・リュスがらみの絵葉書は初見で個人的にはかなり嬉しいのですが、さて。しかしさらに面白いのは日本人会の方でありまして、江口隆哉夫妻による社交ダンスの講習会、岡本一平の講演会から小旅行のご案内、ピンポンのお誘いに果ては大粒ダイヤの頒布会(←ちょっとあやしい)等々、ときに満洲をテーマとしたおかたい勉強会などもありながら、しかし留学というのが単に「お勉強」だけを指すものではなかったことの証拠品といった趣があります。最も驚いたのは画像中左上の欧文DMで、アンナ・パブロヴァ協会主催、ドイツ-日本協会後援、“日本人ダンス・ペア”による公演の案内。演じるのは「RIKUHEI UND TOSHIKO UMEMOTO」とあり、これは上方舞の家元にして草創期の宝塚で振付なども手掛けた楳茂都陸平のことでした。楳茂都であればおそらくは日舞の公演だったのでしょうが、その横に何故か“歌い手”として「RYOZO OKUDA」(=奥田良三 当時ベルリン音楽大学留学中か)の名前があり、ううむ。一体どんな舞台だったのでしょうか、日舞とオペラ。それにしても、社交に教養に人脈づくり…なるほど、当時の留学経験のもつ意味の重さがうかがえるというものです。理系人間でも舞踊くらい分からないとね。いまはその片鱗も残らない(と思える)、古き良き時代の教養人の面影でもありましょう。

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日本橋三越の催事用に作られた『文具読本』と昭和4年当時の流行を網羅した『近代流行の栞』

■下の画像・向かって右は『学用文具製作実演会 文具読本』。各種文具メーカーから成る文匠会という組織が主催、日本橋三越で昭和12年に開催された催事用に作られた冊子です。煎じ詰めれば文房具に関する知識啓蒙と販売促進とを兼ね合わせたもので、紙、ノートブック、万年筆、鉛筆、ランドセル、セルロイドなどの基礎知識と製造方法とが図版・写真多数を配して紹介されています。それにしたって百貨店の催事場で実演は無理、と思うのは機械化時代以降の人間だからで、紹介されている当時の製造法を見れば、必ずどこかに手作業の工程があり、これなら「実演」というのにも頷けます。向かって左の『近代流行の栞』昭和4年発行の雑誌『婦人世界』の付録冊子で、衣服のデザインやテキスタイル、装身具などの流行を豊富な写真とともに紹介。袖珍本程度の小さな冊子の1ページに、20数点の髪型をモンタージュしたページはなかでも圧巻です。「近代人の嗜好する流行煙草」という記事には、時代の差を感じさせられます。かつてタバコは「たしなむ」ものだったわけで。これ以上は申しませんが。手仕事にしてもタバコにしても、世の片隅に追いやられて― ああ昭和は遠くなりにけり。気が付けば、平成も20年を数えました。 ここで世の皆様にお願いです。わけあって次の雑誌を探しております。大正年間から1980年までに発行された『黒髪』『新美容』『しんびよう』『美容師の友』『TOMOTOMO』と、『しんびよう』の付録になっていた『しんびようプラス』『みわく』。いずれも専門誌でしかも流行を敏感に映すものだけに、現存しているものは少ないのではないかと思われ、それだけに皆様の情報だけが頼り。もしお心あたりのある方は、是非是非ご一報ください。誠心誠意、評価させていただきます。何卒よろしくお願いいたします!

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