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08/01/04 Information

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戦前のオリジナル絵葉書 “「エッフェル塔の顔出し看板」にて”

明けましておめでとうございます。 年頭にあたり 平素のご厚情に改めて感謝申し上げ また 本年も旧倍のご厚誼・ご鞭撻を賜りますよう 心よりお願いいたします。2008年が みなさまにとって 幸多き年となりますよう 祈念申し上げます。 新年初売りは1月8日(火)、その後、木曜・土曜と各日とも12時~20時で営業いたします。 さてさて今年最初の新着情報。楽しく始めたいと思います。上の画像、真ん中は、エッフェル塔で撮影された「顔出し看板」を絵葉書に仕立てた未使用の一枚。日本人の比較的いい歳をしたオジさまが笑ったものかどうかしようかという、かなり微妙な表情で顔を出しています。よく見ると看板は結構おおざっぱな手描きとなっております。渡航先の観光地等で撮影した写真を絵葉書に仕立てたる例はある程度散見される(pm46参照)のですが、「顔出し看板」で撮影したものはこれが初見。いつ頃のものなのかははっきりしませんが、おそらくは大正年間、新しくても昭和のごく初期までにつくられたものでしょう。私が物心つくころ(昭和30年代後半)には、日本の観光スポットにはお約束のごとく存在したこの「顔出し看板」ですが、戦後の風俗でも、日本独自の発想でもなかったわけです。こうなると、その生みの親、発祥地、伝播ルートなどなど興味も広がってくるのですが、こうした大衆文化的な事象に限ってまともな記録がないのがこの世の常。こうして残された「点」をつなげていくしかないのかも知れません。ところで、ここに顔を出しているオジさま。一緒に出てきた絵葉書も全て未使用とあって、どういった人物なのか全く分かりません。おそらくは、国か組織か親族か、名誉や期待のもろもろ背負って渡航した日本男児にして、エッフェル塔に登るとついやってしまった「顔出し看板」…その微妙な表情を眺めていると、この無名氏、何だかとてもいい人に見えてくるのでした。

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ゴールデン・バットのパッケージを使って人形を作り倒した 『オモシロクデキル バット人形』

■今週も新着品をもう一点(画像二点目)。かつては何度か扱ったものの、最近では市場で見かけることもない『バットの手工』(本多功著 昭和7年)、その姉妹編ともいうべき本を昨年末の市場で発見しました。題して『オモシロクデキル バット人形』。こちらは「みさき いづも」なる人の著作で昭和8年4月の再版。バットといっても野球で使うそれではなく、「ゴールデン・バット」という煙草のこと。その空いたパッケージを使って遊び倒そうというのが二冊に共通する趣旨。かつての日本の家庭にはそれだけありふれた紙モノとして、ゴールデン・バットの空き箱が転がっていたということですね。『手工』が貼絵などの平面に留まらず立体作品まで展開しているのに比べると、『人形』はあくまで「切り貼りでつくる平面」でしかも「人形」のヴァリエーションであるという点で少々単調ではありますが、しかし紙幅150Pを数える本一冊、このテーマで埋め尽くした無理矢理感、といいますか、七転八倒ぶりが伝わってきて余りあり。画像右端の二面は「テンテンテンマリ テンテマリ」というご存知の歌の振付けに合わせた人形のポーズなのですが、この一曲で何と47ポーズを考案。後半になると何故か「ガイセンモン」まで登場します(…人形?)。日本髪に蝙蝠の図を使った「お見事!」な作例も勿論あるのではあるのですが。しかしこの無用な情熱は一体?―という辺りは奥付にヒントがあるようで、『バット人形』の初版は昭和7年も押し詰まった12月の発行。つまり、同年発行の『バットの手工』の人気にあやかり二匹目のドジョウを狙ったものではなかろうかと。このモノ売りへの情熱!(ホントかなぁ)今年こそ私も見習わないといけません(ダイジョーブかなぁ)。 説明が遅れましたが一点目の画像、新着品絵葉書の左右は、自宅のヴェランダから撮った東京タワーです。青くライトアップされているのが2008年1月1日0:00の撮影。しばらくすると画像右側の、いつものオレンジの光に戻りました。ここ数年、年のはざまをヴェランダで過ごします。仕事につながるものがひとつも視界に入らない、唯一の場所です。街中は静まり返り、近くにある不動尊の鐘の音が、年によっては海側から汽笛も、聞こえてきます。この日だけは寒ささえ、我が身を浄化していくかのように感じられます。新しい年はすでにスタートしました。来週からはまた市場です。できることなら。闇の中に垣間見るかすかな光のような、過去の断片を見つけ出す仕事を、少しずつでも重ねていければと思います。今年もまた、相変わらずのゆるゆるとした歩みとなります。今年もまた、店にネットに、お訪ねくださいますよう、何卒よろしくお願いいたします。

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