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07/12/15 Information

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1981年AGP Mattews社刊・『The Avant-Garde in Print』シリーズ中『Futurism』(左)と『Typography/Master Designers in Print1』(右)

■棚卸しはもとより伝票整理にさえ手がつかないままだというのに、年内、市場の大詰めは来週。18日(火)の東京洋書会・歳末特別市と21日(金)の明治古典会クリスマス大市という大モノで2007年の市場通いを打ち上げる予定です。こうした次第で来週火曜日は店に入れるかどうか微妙な状勢、この日のご来店には必ずお電話で在席をご確認いただけますようお願い申し上げます。木曜・土曜は12時~20時できっちり営業いたします。常ながらの勝手をいたしますが、この両日には、是非御来店ノ程奉冀候。 お定まりの新着情報ではありますが、「あ」っという間に行き先の決まるものがあるかと思えば、高僧の座禅姿のようにピクリとも動かぬものあり。しかも、「これはいいでしょう!」と店主が盛り上がってるものに限って、まさに高僧然として六畳一間の壷中に居座る傾向があり。先日、尊敬する同業の先輩に「そーゆーのを れふと・あろーん っていうんですね」とやんわり指摘されて「なるほどねぇ」と深く頷いてしまいました。頷いているばかりでは事態は全く好転いたしませんので、今週はあまり説明なんぞ要さぬものをご紹介してみようかと……はい、最初の画像です。こちら1981年にN.YはAGP Mattews社よりシリーズ5冊で発行された『The Avant-Garde in Print』の内、『Futurism』と『Typography/Master Designers in Print1』の二冊ですね。黒の紙製ポートフォリオにテーマに沿った紙モノの忠実な複製各10葉が、解説書ととも収められています。随分長い副題(なので端折りますが)から、“印刷物の上に残された20世紀のデザインとタイポグラフィの記録”をコンセプトとしたシリーズで(…えーぇやはり小店好みに偏っておりましょうか)、『未来派』にはマリネッティによる宣言書、リベルタ誌の表紙、未来派運動やデペロの個展のDMなどが、『タイポグラフィ1』にはH・バイヤー、ズワルト、シュビッタース、ロドチェンコ、ナジら錚々たる作家の作品にチェコやポーランドにも目配り。もはやこれ以上の説明は要しませんね。ここで付言しておきますと、シリーズは他に『Lissizky』と『DADA』と『Typography/~2』がございまして、うーむ。これは揃えたい。揃えたいのでありますが、世界を相手に只今さくさくっとケンサクしてみたところでは、なにしろさくさくっ、との範囲なのであまりあてにはなりませんが、コンプリートはなかなか難しいようです。で、ご質問は?…そうですか。そうですね。ないようなので次。

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昭和3年から数年分の内外映画の広告集『キネマ広告抄』。坂妻も鞍馬天狗もマキノ映画も、河野鷹思による松竹シネマの広告も!

■はい。次の画像。こちら、タイトルとして『キネマ広告抄』と銘打たれておりますが、昭和3年から数年分、映画のしゃれた広告ばかりを集めて一冊の本に仕立てています。6cmになろうかという厚さをもちながら、こちらも分かりやすく図版ばかりが並んでおります。邦画と洋画、ともに日本の配給元がもっていた売り物、つまりソフトとかコンテンツとか、いま私たちが呼んでいるもののカタログを合本してしまったようなものかと。もちろん、あの河野鷹思が広告界に鮮烈なデビューを飾った「松竹キネマ」の広告も多数、もぉーちろんっ、河野作と特定できる広告も複数収められておりまして、いずれもカラーで画像映えもいたします。当然、新着紹介の画像もそのなかから……そうですよね。とるべきですねぇ。ところが洋画の方に…「伯林大都会交響曲」の広告を見つけてしまい。ここで「伯林」をとったら、また「れふと・あろーん」なんだろうな。なんですよ…ええっい。画像は「伯林大都会交響曲」のフォト・モンタージュを駆使した広告です。画像からお伝えできるかどうか、奇妙で過剰で、どこか病的な空気さえ漂う尋常ならざるモンタージュが、実は8Pに亘って続いております。丁度店をいまの表参道に移転した頃に一度、これと同じ図版が使われたパンフレットを扱っているのですが、少なくとも私は、それ以後もこの過激さを超えるフォト・モンタージュに出会ったことがありません。枠外に配された惹句のなかには「世界的波紋を生める新音楽派映画―音楽派映画とは? 純粋映画とは? 答へる」なんていうのもあって、これは『未来派とは?答へる』の剽窃で…ってまたくどいんだから。そうですね。このあたりで。しかしこの一冊、さすがは当時の娯楽産業の雄だけありまして、金銀印刷使い放題、イラストにタイポグラフィに贅を凝らし、戦前グラフィック・デザインの殿堂の感さえあるのはホントです。はい?河野鷹思?いや全然忘れてませんよ、もちろん。ご希望の方には、はい。店頭で! 今週はまだあといくつか。長らくお待たせいたしました!待望の入荷は、四方がほどよい加減に日焼けした未使用の洋紙。何と一締め・厚さにして15cmほどまとめて入荷いたしました。どのあたりの部位をとるかによって焼け具合が微妙に異なる逸品です(って…ビフテキじゃないんだから)。こんなもの売れるのは小店くらいか…。大量入荷した戦前の外国絵葉書、一部値付けができたのを機に、絵葉書の在庫を全面的に入れかえました。パリ、ベルリン、ロンドン、イタリアの各都市を中心にオランダ、北欧、東欧などもあります。③戦前のエンタイアが三口、それぞれまとまって入荷。一人は朝鮮銀行の関係者で渡航中に日本や韓国に宛てて出したもの。不思議なことにほとんど英文でのやりとりです。もう一人は横浜高専の化学の先生で、ドイツ留学中に日本や韓国などから受け取った私信類。なかには満鉄のレターヘッドを使った手紙なども見られます。とうとう。というべきか。また。が正しいのか。古本屋とは思えない新着品は戦前から戦後1960年代頃までのキモノ13着。銘仙の柄も縞の色目も裏地の紅絹も捨てがたく、つい。ご興味のある方は是非お声をおかけください。それにしても焼けた洋紙に古いキモノですからねぇ。今年は機械部品もやったことだし。『噂の真相』なきいま、タブーなき古本屋を目指して……「恐いものなし」 より怖いものなし。

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