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21/06/28 エフェメラの集合体 ! 『東京画報1』と『ぬりえ』


■まる2日遅れの更新となりました。体調不良でも何でもなく、金曜夜の数時間PCが全く使い物にならなかったせいで、店主、至って元気にしております。ご安心下さい。
さて、今週も営業スケジュールのお知らせから。
コロナウイルスの影響で、昨年は中止となった「明治古典会七夕古書大入札会」が今年は7月2日(金)から4日(日)にかけて開催されることとなりました
これに伴い、今週の店の営業は6月29日(火)・7月1日(木)の2日、それぞれ12時より19時まで、7月3日(土)は休業とさせていただきます。
アポイントは不要ですが、店内のお客様の数は3名様までとし、それ以上になる場合は入店までお待ちいただく場合がございます。
また、入店時は不織布マスクの着用と店内入り口での手指の消毒をお願いいたしております。
ご不便をおかけいたしますが、ご協力のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

オリンピック開催にともなう競技場周辺の交通規制や物流の停滞、各競技場に向かう乗換等、表参道駅の利用頻度が高まることなど、表参道駅とその周辺は混雑が予想されることから、オリンピック開催期間中とその前後にあたる7月21日(水)より8月9日(月)まで、店は臨時休業いたします。
8月10日(火)には営業を再開したい考えですが、コロナウイルスの感染状況によっては、そのままお盆休みに入ることになるかも知れません。
オリンピック開催に伴う休業中も、HPの更新やSNSへの投稿は続けますので、営業に関する情報も随時お知らせいたします。
ご面倒かとは存じますが、ご来店の際には必ず最新の情報をご確認いただけますよう、どうかよろしくお願いいたします。

*パラリンピック開催期間中の営業については会期直前の状況をみながら改めて判断いたします。

■申し遅れましたが「明治古典会七夕古書大入札会」は一般の方々にも古書入札会の会場で商品を実際にご覧いただこうとの趣旨から、一般プレビュー(下見展観)日を設けています。実際の入札については、ご依頼いただいた古書業者が代行して行いますが、古書市場のしくみの一端をじかに目にする機会として、また、いずれの出品商品も実際に手にとって御覧いただける機会として、毎年開催を楽しみにしているお客様も多い催しです。
一般プレビューは7月2日(金)10時~18時、7月3日(土)10時~16時
下記のアドレスで会場その他開催概要と、出品全点を画像でご覧いただける「出品目録」が公開されております。是非ご覧下さい!
https://meijikotenkai.com/2021/
 

今週の新着品は、2点とも、紙モノの集合体といったつくりの私的な刊行物。どちらも2度目か3度目の入荷ですが、珍しい部類の刊行物です。
画像1点目。筒函の平に認められる「東京のテクスチュア」は副題で、正式な書名は『東京画報1』副題はもうひとつ「視覚的な触覚作業集」という言葉があてられており、この刊行物を制作した「和光大学芸術学科《東京画報》編集室」に参加していた学生さんたちの目論見と具体的作業とが明示された格好です。
A4を二つ折りした未綴じ・72枚からなる東京をモチーフとした作品集で、発行は1970年代(この方の調査にはまず間違いがないと思われる同業先輩によれば1974年頃の発行のようです)。
30人の学生によって制作された作品は全てフォトモンタージュによるもの。敗戦後約20年。高度経済成長下、新旧入り混じりながら刻々と変化する東京の街の姿には、当時まだ子供だった私にも、確かにキッチュで猥雑な側面が多分にあったような記憶があります。この作品集には、あの当時の東京の空気を伝えるには、フォトモンタージュという手法以外にあり得なかったと思わせるだけの説得力があると思います。あくまで私見ですが。
「小柳ルミ子ショー」や「ノストラダムスの大予言」の看板、積み上げられたブリキのゴミ箱、東京観光ご一行様記念写真、街頭の町内地図、落書きされたベンチ等々、当時の東京の片隅にあった風景が丹念に拾われている点では、1970年代の「考現学」ともなっていて、細部まで丹念に見て行きたくなる力作です。

■こちらもやはりA4を二つ折りにした未綴じのリーフ80枚からなる作品集。32Pの冊子とともにアクリルのケースと筒函に収めたもの。著者は編集者でエディトリアル・デザイナー、写真集の著書もある田淵裕一。1972年の発行で、部数等詳細は分かりませんが、私家版としての発行でした。
80枚のリーフには、いずれも線画が1色で印刷されていて、著者は、この私家版を手にした人は「なにかしなければならない」としています。何かしたものをどうするかと云うと、田淵に返送してくれとあり、田淵のもとに届けられた「なにか」されたものを集めて小冊子をつくる-田淵には、一種のメーリング・アートのような構想があったようです。そのため、田淵自筆の宛名書きに切手まで貼った返送用の封筒付き。詳細は相変わらず分からないものの、著者とごく親しい人たちに限定して贈られたものと見られます。
ぬりえの対象となる図版は日本の国旗のように分かりやすいものから、どう塗れというのかとまどうような住宅間取り図の集合、塗るというより書いた方が良さそうな原稿用紙や熨斗紙など多種多様。こうした多様なセレクト全体で「ぬりえ」というひとつの作品を構成しているのだと云えるのでしょう。
それにしても『東京画報1』と『ぬりえ』の2冊。体裁もボリュームもよく似ているのは単なる偶然なのか何かしらの必然なのか。その辺りにもまた、いまは見えなくなってしまった何かの「線」が見えてきても良さそうな気がするのですがさて?

もひとつお詫び。今週は「七夕」のために更新は1回お休みさせていただきます。来週は火・木・土曜日の12時~19時で営業いたします。悪しからず!
 

 

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