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07/09/01 Information

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VOLIERE

■月曜・水曜は市場への出品準備で深更に及ぶ仕分け、火曜・木曜は新しいパソコンの立ち上げに悪戦苦闘し(…ているカズトくんを横目で眺め)、金曜日は大量出品の市場でひたすら入札…こうして一週間はあっという間に過ぎてゆき、同じように過ぎるに違いない来週も店は火・木・土曜日、12時~20時で営業いたします今週の落札品はひと月ぶりの二桁台後半・17口。新着品はもちろんこのなかからで、最初の画像は1963年に発行された『VOLIERE』。著者名にアンドレ・ブルトンとイブ・タンギーという豪華な名前が並んだ限定250部本。ブルトンの詩を手稿を忠実に写したファクシミリ版で、また、イブ・タンギーの作品はオフセット印刷の上から手彩色を加えて、いずれも未綴じのリーフにし、ポートフォリオに収めています(スリップケースと函付き・完本)。市場で初めて出くわしたものですが、時に円を描き、場合によっては斜めに走り、気が向けば簡略な図式が混じるブルトンの手書き原稿に先ずは心惹かれ、よくよく見れば各リーフの上部に記された年号は切り貼りコラージュ(!)してあるし—ブルトンの詩は1912~1941年の作品で一年に一篇ずつとられています—ペンの色が変わればその色で刷られているし、ならばタンギーの作品はと見れば、扉にあたる一枚は「印刷+手彩+形の通りに切り抜き+貼り込み」(!)してあるし、一体なぜにこのような七面倒なことをしたのか意味不明な情熱に弱い私はやっぱり買うことになっちゃった。用紙自体の色も一様ではなく、紙モノ好きで文字好きな方には、多分、魅力的な代物かと。しかしこれ程のものを掴まえて、しかもこれだけ説明しながら、シュルレアリスム方面の押さえが皆無というはいかがなものかと只今反省中。

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図案と芸術

■続く画像は雑誌、『図案と工芸』改め『図案と芸術』の二冊。ともに大正14年、「図案と芸術社」の発行です。この内七月号はちょっと迫力がありまして、渡邊素舟が「其処に直面する要求に聴け、いかに図案が生活でなければならぬか、そして芸術がいかに必要以外なものであってはならないかを。」と巻頭言で檄を飛ばし、目次を見ると、石井柏亭「浴衣図案」、竹久夢二「中形について」、武井武雄「表紙について」あたりは王道として、松屋(百貨店)のオリジナル商品がらみ与謝野晶子、吉井勇、万太郎、雨情のコメント「私の図案した浴衣図案」(写真有り)、吉田謙吉「築地小劇場のポスター」、村山知義「産業派の芸術」と記事が並び、加えて、三科の大浦周蔵の手になる丸善の飾窓、村山知義作「爛酔の構成派舞台装置」、そして「露西亜構成派の茶器—マレウイツチ(=マレビッチ!)氏作」なんていう写真まで載っています。コマネタながら、「消息」欄には「村山知義氏、雑誌マヴォ復活」の文字が、「報」欄には「築地小劇場創立一周年記念模型舞台展覧会」が展示作品名まで紹介されて。百貨店のからみなどもあって一見穏当な雑誌ながら、モボ・モガの大正を、何より大正のアヴァンギャルドの断片を、その細部にしっかりと刻印していました。この他、戦前の『一枚張襖紙見本』、「生地標本」が二冊、ブレイクおよびウィリアム・モリス関係の戦前翻訳書が約20冊、「服部良一誕生パーティ出欠葉書」約百通は白洲次郎を含み、絵葉書一箱はまだこれからがお楽しみ、明治の風俗スケッチと挿絵の切抜きが貼り込まれたスクラップ帖5冊などなど、明日には店に到着予定です。――それにしても簡単に売れないものばかりよくもまぁ……(絶句)。

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