■東京の新型コロナウイルス感染者数がここにき歯止めがきかなくなってきたようです。今後は、市中感染の可能性ありき で活動していく必要に迫られますが、小店ではこれまで通り消毒の徹底とマスク着用、こまめな手洗いに努めつつ、お客様には入店時の手指の消毒とマスクの着用を引き続きお願い申し上げます。
また、店は13時~17時と時間を短縮しての営業とさせていただきます。アポイントの必要はありません。
ご不便をおかけいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
みなさまのご無事をこころよりお祈りいたしております!
■久しぶりに「織物標本」が入荷いたしました。明治期の成立とあたりをつけたものの、織元さん旧蔵の見本帖・参考資料の類なのか、コレクターが蒐集したものなか はたまた研究者の資料か、一切手掛かりがないため、その辺りは最後まで判断がつかないだろうと思っていたのですが、落札したのを持ち帰り、画像を撮ろうと頁をくっていたところ、真ん中あたりの頁の見開きノド奥深くに、小さな紙片が挟まれているのに気付きました。「山田三郎 吉邨彌七郎 草(?)集」と刻まれた瓢箪型の落款が薄い和紙に押されたものです。
この程度の手掛かりで分かることといってもなあ …… と、ほとんど期待もしないでケンサクにくんにお出ましいただいたところ、今回はあっという間! 山田三郎編、吉邨彌七郎出版で『日本機織雑纂』という本が明治33(1900)年に出版されていることが分かりました。
国立国会図書館ではこの本をデジタルコレクションで公開しているので、新着品の標本集の織物現物サンプルに添えられた「第壹号 蜀紅錦」から「百五十六号 薩摩上布」までのキャプションと、『日本機織雑纂』の目次を照らし合わせたところ、これがビンゴ! 1点違わずこの本で解説されている織物が、目次と全く同じ順番で貼り込まれていることが分かりました。
とすれば、「織物標本」は『日本機織雑纂』(←こちらは徹底的にテキストだけの本)の別冊として複数部つくられた可能性がありますが、これまでのところ『日本機織雑纂』との関係性をうかがわせるような書誌情報は出てきてすません。
見本帖としては裂の四方の処理、キャプションの手書き文字の美しさなどまで、ほぼ完璧といって良い丁寧なつくりなどから、もともと現存するのはこの1冊きりだったのではないか…? と古本屋的に都合の良い考えも浮かんでくるもしかし、ここから先はどこまでいってもあくまで推測のお話しです。
ともあれ、金襴緞子から縞目、海気から芭蕉布まで、日本全国津々浦々の織物156点が端正な佇まいで並ぶ「織物標本」、その全貌は店頭でご覧下さい。
「古本は買ってみないと分からない」とはこの世界ではよく云われる言葉ですが、これぞまさしく!
■こちらも分からないまま買って、こちらは「やっぱり何も分かりませんでした。」で終わってしまいそうな骨牌=カルタの絵札。全点手描きですが、この少々テカテカした顔料が一体何なのかさっぱり分からなければ、遊び方も分からない、というか、絵札60枚中1枚欠けてる上に読み札は4枚しかないのでそもそも遊ぶことができないという代物。
何故そんなものを買ったのかと云われれば、ただもうこの絵に惹かれたから、というその1点のみ。
というわけで。こちらはいっそのことバラ売りしてしまおうか、いややっぱり一括で売るべきではないかととただいま悶々としておりまして。明日、店に居れるまでには頭を整理しておきます。
■今週はこの他、戦前の洋雑誌『SHADUWLAND』『FILM FUN』、テーラー向けの古い専門誌『流行と断方』などがそれぞれ比較的まとまった量、龍村織物の端切れ少々など(龍村についてきた木材シートサンプルや色見本帖等も)入荷しております。
■今週の斜め読みから。
https://www.facebook.com/551568241521404/posts/3407077342637132/
https://mainichi.jp/articles/20200703/k00/00m/010/190000c?cx_fm=mailasa&cx_ml=article&cx_mdate=20200704&fbclid=IwAR2raKjGBsgovWTG1kikKVxTbRCZXtCAcWtm1FmXimb0LfSwLCQZMNfAX10
九州豪雨下でGo toだとか↓これだとか。イギリスでは減税だというではないですか。メルボルンは160人で都市封鎖だし。何を見ても思いめぐらせるのは某国のダメっぷりばかり哉。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200701/k10012491121000.html?fbclid=IwAR0zwmIADgUmSvOs6etOWAWhdXPL8YaEE7KnJgfMYqOfjcUz8IPyNRjBtOo