#205 6-1-6 Minamiaoyama Minatoku TOKYO
info@nichigetu-do.com
TEL&FAX:03-3400-0327
sitemap mail

detail

07/06/23 Information

店は来週も火・木・土曜日の12時~20時で営業いたします。月曜日は古書会館で市場出品のための仕分け、水曜・金曜は目黒・ジェオグラフィカさんに入れる商品の準備と今月が年度末となる組合への清算(…もちろんですが支払いです)で、まだまだジタバタ過ごす日々が続きます。 先週末よりネット環境に不具合が続き、一時はHPが閲覧不能となってしまいました。週に二度の更新どころではなく、明日は店のパソコン、モデムの診断から始める予定です。このため、とくにメールのご返信等にはお時間がかかる場合がございます。お急ぎのご用件はお電話でご連絡いただければ幸いです。ご面倒をおかけいたしますが、どうかご理解のほど…。 ■この一年を思い返して、痛恨の不落札品は何か-そんなものは実に山ほどあるのですが、わけても悔しかったのが戦前の舞踊関係の雑誌・冊子の一口でした。バレエ・リュスだスエドワだといったところで、肝心の本邦資料がないことにはあまりに表層的ではないかと、落札できなかった自分がいかにも情けなく、こればかりは忘れられずにおりました。それが今週金曜日、何とまた市場に出現!-以前は一括で出品されたのが、今回は二口に分けられていること以外に違いはありません。前回の落札価格はもちろん、上札がどこまで入っていたかも鮮明に記憶しています。こうなると意地です。前回の落札価格の少し上を今度の最低入札価格に置き、前回の上札を超える上札を書き、封筒が札で膨らむ度に用心のために札を改め…二口とも「再改め」で落札。しかし、ムキになって落札したところで、小店ではいまだかつて舞踊関係の資料が売れた試しがなく、これはもう自分のための買い物じゃないか…といった愚痴はさておき、新着品のご紹介です。いかにも新興写真風の女性の肖像が表紙を飾るのは、『崔承喜パンフレット第一集』で昭和10年・崔承喜舞踊研究所発行の第二版。初版の売切れ、第二版発行の遅れを詫びる言葉が編集後記に記されています。グラビア中心の構成ですが(見ているとノイエ・タンツばかりでなく古賀春江や宝塚まで想起されます)、巻頭の川端康成の「崔承喜論」(転載)の他、村山知義、杉山平助らのテキスト、光吉夏弥、永田龍雄らの批評抜粋も。なかでも来日当初、石井獏の研究所に起居していた頃のことを記した中根宏の文章は印象的。また表2~表4まで広告も全て崔がモデルを務めていて、タイアップ広告のはしりとでもいいましょうか。メイクアップはM.Ushiyama…メイ牛山だぁ(最近は色紙

に「長寿は芸術」と書かれるのだとか。ううむ。正しい)。その隣は今度は崔の師匠の出版物で『石井漠パンフレット』昭和8年・石井漠舞踊研究所の発行。こちらも中心はグラビア頁ですが、「舞踊芸術の理想について」と題された、石井の比較的長文の論考が収められています。論考によれば…って、調子に乗ってると全然終わらないのでは…… ……はい、そうです。先、急ぎましょう。まるで洋雑誌のような表紙は『世界的舞踊詩人サカロフ夫妻舞踊公演』の公式パンフレット。A.サカロフ「舞踊私見」、クロチルド夫人の講演原稿の翻訳が収められており、これはしっかり読んでおきたいところ。葦原英了が多くの頁に関わっている点、少し甘さが予感されますが。それにしてもこの夫婦、二人そろって発する空気の何とも色っぽいこと。『舞踊 創刊号』『舞踊 第二号』はともに昭和9年の発行で、第二号の表紙デザインは河野鷹思。創刊号の巻頭言にあるように“総合舞踊誌”として、内外の尖端舞踊情報を伝えます。グラビア多し。最後は原弘が表紙を手掛けた『舞踊日本』昭和9年10月号。石井漠を発行人とし、発行は舞踊日本社。同誌を支える「舞踊懇談会会員」には、板垣鷹穂の名前も見えます。無記名の「舞踊往来」の頁では崔を評価した川端康成から、サカロフをノイエ・タンツの元祖だと“途方もない迷説をはいている”としてあの葦原英了までこき下ろし、「私の印象に残った舞台」アンケートでは堀口大学が“十数年前に見た/アナ・パヴロヴァと/ニジンスキイ!/理由は?理由は?理由は?/理由なんかないかも知れません!”と答えていたりするこの一冊、かなり面白そう。この六冊については別の頁でまた改めてご紹介したいと思います。その楽しみを私的・趣味的買い物の、せめてもの余禄としないことには、落札価格がせつないので。しかしなぜどうして。ウチは“こんなん”ばっかりなんだろーか……。新着品はこれだけでなく、来週市場は休みですが、店頭でも未紹介の商品をお披露目いたします。ちなみに次回は洋書、ドランとジャリの、パスキンが挿絵を……っと今週はこのへんで。

inquiry 新着品案内 / new arrival に関するお問い合わせ

お名前 *
e-mail address *
お電話番号 *
お問い合わせ 件名
お問い合わせ 内容 *
  * は必須項目です)

recent