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18/09/08 プレスアルトのパクリ元? 和本の袋のパクリ先?

■平成最後の夏は、猛暑と台風に加え、地震とともに記憶されることになってしまったようです。
被災された方、つらい日々をお過ごし方には心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復旧をお祈り申し上げます。
日本全土いつどこで何が起こってもおかしくない時代に入ったように思います。日々の安寧を祈るばかりです。
 
■今週の新着品から、1点目は1926年にニューヨークで出版された『MODERN POSTER ANNUAL Vol.3 1926-1927』。小型シールを黒い台紙に並べて貼り付けたリーフなど、バラでは何葉か見たことがあるように思うのですが、まさか海の向こうにもこんな雑誌(年鑑)があろうとは。つまり、まとまった刊行物として眼にしたのも、従って入荷したのも今回が初めてです。
「海の向こうにも」と書いたのは、日本には、日本国内で刊行された優秀広告印刷物の現物を集め、簡潔なデータを加刷しながら定期刊行(月刊)していた『プレスアルト』という広告専門誌があったから。この『MODERN POSTER ANNUAL』はそのアメリカ版とでも云うべきものです。『プレスアルト』収録の印刷物同様、裏面や中面まで印刷がおよんでいることなどから見て、こちらもあくまで「現物」を集めたものだと思われます。
紙製のポートフォリオに、A4よりひとまわり大きい黒い台紙として、収集した印刷物=サンプルを貼り付けた35葉を所収。
タイトルにはポスターと謳っていますが、実際には車内広告や店頭広告用に用意された小型ポスターを中心に、ポスターのデザインを流用したパンフレット類、ポスタとは関係なくデザイン的に優れたカタログ、冊子、絵葉書などを含んでいるもので、目次には「Over 100 Color Posters」という記載が見られます。 

さて。冒頭、徹底した現物主義の広告専門誌としては、まるで『プレスアルト』が先行していたかのような書き方になりましたが、『プレスアルト』は昭和12年の創刊。昭和12年=1937年なので、先行誌は明らかに『MODERN POSTER ANNUAL』ということになります。残念ながら、おそらくアイディアをいただいたのであろう前者ですが、月刊ペースでありながら毎号批評をまとめた小冊子を添付していた点、年鑑でありながら20行にも満たない雑駁な文章を添えただけの『MODERN POSTER ANNUAL』と比べ、大いに誉められてしかるべきかと思う次第です。
因みに。『プレスアルト』小店在庫はあと1号分を残すのみとなりました (まだ残っていたとは … )。
 
『都紋百華』明治24年に発行された全て木版刷の図案集上下巻2冊で揃い、各50図・計100図を所収。京都の文石堂というところから出たもので、著者は安達真速と云う人ですが、細部の詰めが少々甘く、和本の袋や古裂、名物など、何か下敷きがあるように感じさせる(実際にあったりもする)意匠=ありていな発想は、残念ながら雪佳・紅麟・青楓クラスには遠く及ばないのでした。
名前が残るのにはちゃんと理由がある。そう気づかせてくれた反面教師的図案集です (…… く、くるしい …) 。
 
今週はこの他、戦前の建築関係の和書・洋書計10数点が明日入荷。但し、この口、落丁やイタミの確認必須で、もしや面倒苦労を抱え込んでしまっただけなんではなかろーかと疑うことしかできない午前4時であります。 

 

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