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07/04/14 Information

■GW(期間の営業日程はまだ未定ですが…すみません)突入までの間、店は火・木・土曜日12時~20時で営業いたします。 国民投票法案が衆議院で可決された2007年4月13日(の金曜日!)に市場で落札したもの。その①は1937年に国鉄省が発行した『TRAVEL IN JAPAN』の三冊。日本の文化や観光スポットを豊富な写真と英文とで紹介した対外宣伝誌です。例えば手描きのタイポグラフィで「sport」と題され、体操する学生の列を極端な遠近法で撮影したセンター見開きなど、当時の対外広報誌らしい写真使いが随所に見られます。同時に開催が決定していた札幌冬季五輪を意識してか、「日本のウィンタースポーツ」というリーフレットが挟まれているものもあり、そして表四には、原弘がデザインした五輪マークが配されています。国を挙げての一大イベントとなるはずだったオリンピックも万博も、しかし太平洋戦争の突入で夢幻に終わり、そこで成績を残せたはずの優れたアスリートたちもまた戦場に散っていったことを、例えオリンピックが開催されてメダリストになったとしても、自らの国の旗を掲揚することのできなかった人たちがいたことを、いまの私たちは知っています。

■同日落札のその②は、額装されていた戦中の着物の生地。男の子用のものです。軍艦が波をきって進み、馬上には意気軒昂な兵隊さん、ここには写っていませんが、右下では戦車が土埃を上げています。そして上空に見える飛行機には「愛国」の文字。これを額に入れていたセンスもよく分かりませんが、しかし、「美しい国」といいながら水の流れがあればダムを造り、赤字だろうが何だろうが縦横無尽に道路を通すセンスというのも不可思議です。そして「愛国」。かつてこの言葉が、かように使われていたのだという証左のひとつがこの着物だといえるでしょう。言葉の本来持つ重みが、いまほど軽く扱われた時代を知りません。この着物に残された「愛国」と、2007年現在どこかの誰かが考えているらしい愛国との間は、もうすでに目と鼻の先に迫っているのではないかと考えるのは、単なる杞憂に過ぎないのでしょうか。昨年の防衛庁の省昇格、教育基本法改正をも含め、せめて、歴史の変節点にいるのだということには自覚的でいたいと思います。この着物は、今日だから買う気にもなった、我が心に打ち込む「杭」のような一点であります。

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