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17/12/23 2017年 更新仕舞いは 図案尽くし !

 ■年内の営業は本日23日(土)、26日(火)、28日(木)と、残すところあと3日となりました。
小店、仕入れの方も22日に開催された「明治古典会クリスマス特選市」で市場仕舞いで打ち止め。早くからお知らせしていた通り、1月の「銀座 古書の市」を1回パスすることになりましたので、商品の整理と片付けおよび店内掃除なんぞ ぼちぼち やっつけながらの仕事となりそうです。
表参道のイルミネーションは明年1月8日まで。12月23日(土)・24日(日)両日は車道1車線を歩行者専用道路として開放、期間中は歩道橋も使用できないため、まず見ることのできない車道からの風景が楽しめるとのこと。
気分ははやくもクリスマス、いやいやもう年の瀬だよ云う方も多いかと存じますが、表参道方面にお越しの際にはお立ち寄りいただければ幸いです。

今週の新着品3点は、「明治古典会クリスマス特選市」の落札品より、先ずは『L'ORNEMENTATION par le POCHOIR』。タイトルにあるように、ステンシル向きの装飾図案集で、縦が約45cmはあろうかという大判。プレート全32葉とテキスト2Pの全揃い、もちろんプレートは全てポショワール=ステンシルによって彩色が施されています。大胆にアレンジされたデザインは威風堂々、繊細な色調まで見応え十分。

 本体に刊期の記載がないので調べてみたところ、刊期は1895年でフランスで発行。著者はモーリス・ピラール・ヴェルヌイユ(M.P.Verneuil)で、小店では7~8年前に6冊組の『ENCYCLOPEDIE DE LA PLANT』を一度扱っていますが、ヴェルヌイユ単独の著書としては、その時以来久々の入荷となりました。
ヴェルヌイユは、「アール・ヌーヴォーの先駆者」(wikiによる)であり小店HPではお馴染み(のはず…?)のウジェーヌ・グラッセの教え子。テキスタイル壁紙、陶器のデザインに活躍…といった程度しか分からなかったヴェルヌイユですが、2013年には「アール・ヌーヴォーのデザイン理論を定義づけた」人物としてクローズアップし、「アール・ヌーヴォーデザインと日本美術コレクションとの関係に絞って、多くの図版とともに紹介」した本邦初の研究書『アール・ヌーヴォーのデザイナー M.P.ヴェルヌイユと日本』が出版されています。
*参考サイト → http://www.creo-pb.co.jp/d/d_017.html
https://opac.libnet.pref.okayama.jp/licsxp-opac/WOpacTifTilListToTifTilDetailAction.do?urlNotFlag=1&tilcod=1009811657937
プレートは単純なデザインの2色使いから始まって、より複雑により多くの色を使ったプレートへと進んでいく構成で、確かに日本の古典的文様やキモノの図案を思わせるデザインも。世界を驚かせたのは何も北斎だけではなく。むしろ見事に消化し自らのものにした西欧諸国の方たちのデザイン力にも敬意を払いたいところで。
ちなみに。Abebooksで現在在庫1点あり。ビックリ仰天の価格はあくまでご参考まで、ご安心下さい。

■これまたフランスで発行された図案集で、小店では2度目の入荷となりました。ジャック・カミュ(Jacques Camus)の『idees 1』。こちらも発行はフランスで、無刊期ですが、海外の古書店の情報によれば刊行は1922年、プレートは全て石版多色刷で12葉で揃い。
デザインはご覧の通りのアール・デコですが、少々説明的な図案は好みの分かれるところかも知れません。状態は良好。こちらもAbebooksで現在在庫1点。小店入荷は2度目とは云え、レアであることは間違いございません。

■今年のトリです。登場したのは『大阪の三越』。入荷した12冊から、表紙の作家が異なる3冊を選びました。
下左は昭和5(1930)年5月号で、三越と云えばこの人ありの杉浦非水デザイン。何と ! 挟み込みに山名文夫のカラー口絵 「五月の朝のお庭」がついています。これはレア !
右の表紙と写真は昭和7(1932)9月号で、表紙は河野鷹思 ! 大阪三越の正面玄関から仰角で建物を捉えた写真で「芸術写真懸賞募集二等入選」の「仰ぎ見る」と題された作品。佐藤美子の寄稿あり。
そしてオオトリは「クリスマスの夜」と題する寺尾新児の絵が表紙を飾る昭和5(1930)年12月号。青柳瑞穂の童話「クリスマスの贈物」2P、商品写真中心に構成された「近づくクリスマスと新年のお喜びに」2Pなど、遥か昔のクリスマスで2017年の〆とさせていただきます。

■表参道の交差点角で長らく営業されていたスーパーAZUMAは今日12月23日に店を閉め、そしてGALLERY 360°さんは25日までで表参道から移転されます。アンデルセンもいまはなく、小店店主がまだ20代の頃から変わらず親しんできた表参道交差点付近の景色も、これから大きく様変わりします。
骨董通りからは肝心の骨董店が減り、山陽堂書店さん1店を残して書店がなくなり、ギャラリーは移転し、デザイナーが居なくなった表参道で、小店はどこまで頑張れるのか。疑問符のひとつも浮かんでこないとすればそれは単なるバカものであります。
芥子粒ほどもない小店1店を訪ねて人が来ようという気になるはずもなかろう、店はもはやナンセナスでは等々、相当に心細い心境になったこともありましたが、最近は、こうなったらもういけるところまでいくしかないぞと思います。とまあ、この結論がバカ者の証しかも知れません。
表参道の小さな店を続けていくために、この世界にひとつとかふたつとかみっつとか、それくらいしかないようなものや、或いは、こんなものを売ろうというのはニチゲツドウだけだよというようなものを、ご来店下さる方たちのお目にかけるべく、日々懸命に努めたいと思います。
来る2018年もおだてたりすかしたりして - 何しろバカ者ですのでそこは扱いやすいはず - お付き合いいただければ望外の喜びであります。
2017年。大変お世話になり本当に有難うございました。
次回更新は1月6日未明を予定いたしております。新春初売りもまた1月6日の予定です。
メリークリスマス ! 
よいお年を ! 

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