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15/11/14 1960~1970年上演芸術の前衛から --- 目録に掲載できなかった印刷物

■今週は必要な素材全てをお渡しして、いまは一旦目録から手が離れました。が。会場の台数の割り出しだとか目録をお送りする名簿の整理だとか、仕事は矢継ぎ早。週明けにはレイアウトチェック等目録の仕事に戻ります。そうしたワケで今週も、と云うか、今週こそ、土曜未明になる前に更新を終わらせるべく先を急ぐためにも、目録掲載から最終的に漏れた品物をご紹介しようという趣向。題して“目録落ち穂拾い”。
「落ち穂拾い」について、wiki先生の解説をまんま引用いたしますと、「物事の本筋からこぼれ落ちてしまった重要性の低い些細な事柄を、後から拾い上げて処理する」と言う消極的な意味と、「落ちこぼれてしまった事柄に、立場が違えば重要なものもあるので見直して対応する」という積極的な意味があるそうですが、ここではもちろん後者の意味。とご納得いただけるとよいのですが。

目録の内、1Pは戦後芸術にまつわる印刷物で構成しようと思って温存していたはいいものの、いざ書き始めると落としこみ先をうまく見つけられず、掲載をあきらめるということがあります。今回はそれが、演劇に関連する一連のプログラム類でした。画像1点目は、それらをまとめて撮ったものです。
宣伝担当・宇野亜喜良の表紙のイラストが目を惹く『血塗られし胎内列車に乗り合わせる三人半』は劇団人間座公演No.22・アートシアター演劇公演No.28として1968年に上演されました。石堂淑朗作、江田和雄演出、吉田謙吉美術という布陣です。パンフレットでは、栗田勇、小川徹の論考の他、役者に対する賛の書き手の中には寺山修司と手塚治虫、池田龍雄などの名前も確認できます。
文字だけで表紙のデザインを構成した劇団三十人会の『日本の教育1960』は1968年公演時のパンフレットで、ふじたあさや作、秋浜悟史演出。後に堤清二のセゾングループ、そして、無印良品で協労することになる田中一光と小池一子の名前が、「広報」スタッフとして並んで記載されているのに驚かされました。中に1枚、ふじたあさや作詞・三木稔作曲、楽譜入りの「ひとりぼっちのブルース」が挟みこまれているのは、観客とともに歌おうというのでしょうか、何ともこの時代らしい趣向です。
同じ劇団三十人会の公演で1967年の作品で、こちらには小池の名前はなく、田中一光が「美術」として参加、このパンフレットの表紙と同モチーフのポスターと、もう1点、デザインの異なるポスター - ともにシルクスクリーン-も手掛けています。

そしてご存知、草月アートセンターの定期発行誌『SAC JOURNAL』。掲載を見送ったのは昭和38(1963)年発行の32号で、特集は「演奏家集団 New Direction 定期演奏会-2」。小林健次「演奏論」、一柳慧、高橋悠治、秋山邦晴らによる座談会「図形楽譜の問題」、ナム・ジュン・パイク「音楽の新しい存在論のために-その1」、、武満徹「吃音宣言9」、植草甚一「トピックス」等に、和田誠や真鍋博がからむオールスターキャスト。そればかりか、演奏会の特集なので当然「曲目解説」のページがあり、シュトックハウゼンを、また、ジョージ・ブレクトを一柳が、その一柳の作品を秋山が、初心者にも分かりやすい言葉で綴っています。

■このあたりが目録からはみ出して、だとすると一体何が優先されたのか、とお思いの方には目録でご確認いただきたく、ご希望の方はお早目にご連絡下さい。
目録お申し込みは、必ずお名前フルネームとお電話番号、目録発送先のご住所をお書き添えの上、メールまたはファックスでお願いいたします。お申し込みは12月初旬まで。よろしくお願いいたします。

画像2点目は即売会の会場用商品として使えそうだと云うので手に入れた、手製の箱入りの連載小説の切り抜き。
どことなく恩地孝四郎の木版画を思わせるデザインの箱は『踊るドンモ』。サトウハチロー作、渡辺三郎挿画で、昭和30(1955)年。この年、書籍化されています。
鈴木信太郎のイラストを使った箱に入っているのは堀文子作・筒井敬介挿画『おしくらまんじゅう』。昭和31(1956)年、朝日新聞に連されたものと見られます。
『ぼろきれ王子』は飯沢匡作、土方重巳挿画。同名タイトル、同じく土方挿画入りの単行本が、1972年に発行されています。
いまも読めることを前提とすると、買うか買わないかの判断はひとえにこの箱にかかっているというわけ。これはかわいい、これは売れるんじゃ?という私の勘、当たるかどうかは神のみぞ知る(なんて云うような大袈裟なお値段ではございません……)。

■今週考えさせられたレポートをひとつだけ。http://hbol.jp/67748
そういうことですか。相当に厄介ですねえ。というお話し。それにしても政治家というのは一体……。

 

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